2年にも及ぶ殺菌・消毒・マスク生活や日本人が綺麗好きであることから、数年前より殺菌エアコンや殺菌剤各種を「ウイルスを99%除去」等をキャッチコピーとして掲げながら、大々的に宣伝する企業が増えています。
 しかしながら、地球は微生物やウイルス、生物多様性によって成立・存在しています。地球を完全に殺菌・消毒をすることは不可能であるため、根本的には免疫システムの正常なバランスを維持することが重要となります。
 除草剤や農薬が健康にとって好ましいものではないことは皆様もご存知だと思いますが、消毒・殺菌剤も微生物を殺してしまうという意味では、過度に使うと危険性があります。

 消毒・殺菌剤は病原体を攻撃しますが、同時に私達の皮膚に存在する常在菌へも大きなダメージを与えてしまいます。常在菌とは、自分のからだに存在する細菌や微生物の総称です。本来、人のからだの内も外も微生物だらけで、腸内細菌にいたっては約100兆個も存在しています。人はそれらの微生物と共存している生物です。そして、それらの微生物が人の健康にとって、非常に大事なのです。自分のからだを守るのが免疫の働きですが、この免疫システムは、生まれてから毎日、自分の身のまわりの微生物とコミュニケーションをとりながら成長し、完成・成熟していきます。したがって、微生物を排除することは自分のバリア機能を自ら下げることにつながるのです。

 つまり、感染予防やあらゆる健康にとって、通常の皮脂や常在菌がとても大切であるということを踏まえると、手洗いや消毒は過度にしないほうが自分の防御力を上げるということになります。身のまわりの微生物をなくすことは、自分のバリアを失うことであり、感染や新規の感染症に対しての免疫力、抵抗力を失うことにつながるのです。これが失われたことによる免疫系の機能低下が、新しい感染症の出現とその対応能力が低下している最大の理由ではないかと私は考えています。また、中途半端なワクチン接種により、薬剤耐性菌問題が発生し、結果的にワクチンへの効果が下がる変異株が増えていることは皆様ご承知かと存じます。

 ペニシリンなどの「抗菌薬」が効かない「薬剤耐性菌」が蔓延して死亡者数が増加すると、世界の感染死者数は将来ガン死者数を上回るとも推定されています。また、抗菌薬の安易な使用が増えれば、アレルギーやガン、肥満、ぜんそく、生活習慣病、潰瘍性大腸炎などの患者数が増えてしまうかもしれず、私達の存在が危ういものになる可能性もあります。現代西洋医療は対処療法が中心であるため、どうしてもそのような薬に頼る道を選びがちで、医師たちすら頭を抱えているのです!